歯が死んでしまうこと(失活歯)で起こる変色については何となく知っている方も多いかもしれませんが、なぜ変色するのかをご存知でしょうか?
そこで今回は、あまり知られていないその理由と治療方法についてお伝えします。
歯の構造ってどうなっているの?
歯髄は血管や神経、リンパ管を含むまるでお肉のような組織。
歯髄の外側には象牙質を作り、象牙質の中に存在する象牙細管という管を通じて象牙質に栄養補給をします。
余分なものを回収したり、さまざまな刺激を痛みとして伝えたりと、いろいろな役割をしています。
歯の構造は、歯髄の周囲を取り囲むように象牙質、その外にはエナメル質が続いていますが、このエナメル質のほとんどは結晶構造をしており半透明で透けているのです。
エナメル質が外側に透けて見えるのはそのためです。
歯の神経が死ぬと、どうして変色するの?
生きている歯(生活歯)と死んでいる歯(失活歯)では、変色の原因が異なるのです。
生きている歯(生活歯)であれば、象牙質自体の色が原因となりますが、死んでいる歯(失活歯)においては、象牙質内の細管の中に入り込んだ物質が原因となり変色をします。
根幹治療をした場合も同様に、血液成分などが細管内に入り込むことが原因で変色します。
変色してしまった歯の治療方法は?
失活歯の変色の治療にはたくさんの方法があります。
残っている歯の状態やどんなことを望んでいるのかによって変わってきますが、今回はその中で4つを方法とその特徴をご紹介します。
オフィスホワイトニングとホームホワイトニング
・歯の表面に薬剤を塗り、薬剤を浸透させ歯を漂白していくという方法
・変色がみられない場合は、後述のインターナルブリーチと併用して利用する場合に効果を発揮
・色の戻りがみられる
インターナルブリーチ
・歯髄があった部分に漂白剤をいれて白くする方法で根管治療の後に行う
・直接細管部分に漂白剤が届くために高い効果が得られる
・歯質にヒビが入っておらずしっかりと丈夫なことが前提条件
かぶせ物
・変色している歯を削り、かぶせ物をかぶせる方法
・もろくなった歯を補強するでき、歯の欠損や変色が著しい場合はかぶせ物が一番。
・歯を削ずる必要があるという点に注意が必要
・かぶせ物自体の変色がなく自然なものなどを選ぶと自費診療となる場合がある。
歯のマニキュア
・歯の表面に直接色を塗る方法。
・即効性がありすぐに白くなりますが、すぐに剥がれてしまうことがある
・歯に厚みが出てしまうので、唇に違和感が出る場合がある
まとめ
治療方法は様々ありますが、適した条件やご要望を踏まえた上で慎重に選択する必要があります。 歯の変色にお悩みの方は、まずはご自身の歯がどんな状態なのかしっかり把握するところからです。お気軽に当院までご相談ください!