いびきで迷惑した経験というのはだれしもお持ちだと思いますが、いびきをしているご本人も実は体には負担がかかっているので要注意なのです。いびきのなかでも注意が必要な睡眠時無呼吸症候群は、実は、歯科的な治療が行われていることをご存知でしょうか?
そこで今回は“睡眠時無呼吸症候群に行われる歯科的治療とは?”についてお伝えします。
起床時に口の中が乾いていませんか?
自分がいびきをかいているかどうかは、本人では気づきません。
起きた時に口の中が乾いているという場合は、口呼吸が原因でありその時にはいびきが疑われます。
実は鼻呼吸ではいびきになることはないのです。
いびきの原因
喉の奥には上気道があります。いびきは、その上気道が狭くなり、空気の出入りが周囲の粘膜を振動させることで起こります。就寝時は舌や喉の周りの筋肉がゆるむため気道が狭くなりやすいくなりいびきをかくのです。
なぜいびきで注意が必要なのか?
それは睡眠時無呼吸症候群(SAS)を伴う場合が多いからです。
「睡眠時無呼吸症候群」(SAS)とは?
まず「無呼吸」とは睡眠中呼吸が止まっている時間が10秒以上の場合をいいます。
無呼吸ではないが今にも止まりそうな弱い呼吸を「低呼吸」といいます。
1時間あたりの平均の無呼吸と低呼吸の回数が5回以上で倦怠感や日中の眠気などの症状を伴う場合、「睡眠時無呼吸症候群」(SAS)と診断がなされます。
無呼吸のときの状態
酸素濃度が下がり呼吸不全になったときと同じです。
体は、心拍数や血圧を上げて体中に十分な酸素を供給しようとします。これは日中に運動をしているような状態と同じで、心臓にかなりの負担がかかり、高血圧や虚血性心疾患、脳血管障害、大動脈解離、不整脈などの循環器病や糖尿病のリスクを高めることになります。
歯科的治療はどのようなことをやっている?
一般的な治療法に、CPAP装置を用いて空気圧で狭くなった気道を広げる方法があります。
歯科的な治療としてマウスピースを使った治療法があります。マウスピースを使った治療法の特徴は次のようになります。
・マウスピースの装用により下顎を前に出すことで、舌根を引き上げて気道の閉塞を抑制する方法
・下顎の位置をずらすために違和感や痛みを覚え、慣れるまでに時間がかかる場合がある
・CPAP療法と比べると、特別な装置も必要なく手軽で、旅行などにも携帯できる
まとめ
現在はいびき外来や睡眠外来などいびき専門に治療をしているところも増えていますので、ご家族にいびきや無呼吸が疑われる場合はぜひ一度ご相談されることをおすすめします。