保険診療と自由診療の違い

当院では「保険治療」と「自由治療」のどちらの治療も選択可能です。
患者さんにはその違いがとても解りにくいところであるもあると思いますのでこのページで少しでもその「保険治療」と「自由治療」の違いをご理解いただいた上で、治療方法の選択の手助けになればと思いご説明いたします。

「保険治療」には国が定めた保険のルールがある

保険を利用して治療するには国の定めたルールに従って治療を進めていかなくてはいけません。保険のルールでは数回に分けて治療する事が義務付けられています。例え歯石を取るだけの簡単な治療でさえ、最低限の回数が決められているのが実情です。また使用する材料や機材にも制限があります。残念ながら今の保険制度では決して患者様にとってベストな治療が受けられるとは限りません。

ただ、保険治療だから「ダメ」だとか、自由診療だから「良い」とは一概には言えません。当院では保険診療でもご満足いただけるご提案や、限られた条件の中で最善の治療を致します。すべては“患者様の健康が第一”と考え治療しております。

保険治療とは、国民皆保険制度により、治療費の一部(ほとんどの方は3割)を負担するだけで受けられる治療です。(健康保険証を持っているとこの保険の対象になるものです)

諸外国と比べるとどうなのでしょうか?以下は、根の治療(根管治療)をした際の平均的な治療費を表したグラフです。

最も高額なのはアメリカ(10万8千円)で、日本は最安の約5800円です。7カ国の平均価格は約50500円で、日本の治療費と約8.5倍の格差があります。これは根の治療に限ったわけではなく、他の種類の治療でも同じような調査結果がでています。なぜこのようなことが起きるかというと、諸外国はほぼ歯科保険制度がなく、ほとんどが自費治療だからです。ですので、一概に日本の歯科治療費(保険診療)は決して高いとはいえません。

保険治療のメリット・デメリット
保険治療のメリット・デメリットを簡単にご説明しましょう。

メリット
【治療費が安く済む】
前述の通り、日本の歯科保険治療費は諸外国に比べると非常に安いです。

【加入者は、誰でも気軽に治療を受けられる】
虫歯や歯周病治療、抜歯といった基本的な治療を気軽に受けられます。

デメリット
【保険のきく範囲が決まっている】
保険制度は、「病気」に対する最低限の治療のみを行うことを前提に作られています。そのため、「虫歯・歯周病予防」「矯正やホワイトニング」などの見た目をよくする治療には保険がききません。

【時間をかけ、じっくり質の高い治療を受けるのは難しい】
保険制度では、時間に対する評価がありません。5分の虫歯治療も、1時間の虫歯治療も全て同じ金額です。それゆえ、短時間で多くの患者さんを治療することが強いられています。その結果、一人あたりの治療時間が限られてしまい、丁寧な治療を受けるのが難しくなってしまうのです。

【使える 材料に限りがあり、金属の歯になりがち】
誰でも白く美しいセラミックの歯にしたいと思うかもしれませんが、保険治療では使える材料に制限があるので、前から4番目以降はメタルしか選べません。※平成24年4月から、第一小臼歯、第二小臼歯(真ん中の歯から数えて4番目、5番目の歯)が、CAD/CAM装置使用に限り※1ハイブリットレジン冠での治療が保険適応になりました。
実は、この保険金属は様々な重金属が使われており、ドイツやスウェーデンなど諸外国では、使用しないよう警告されているものも含まれています。体によくないという評価もあるのですが、実際は戦後「最低限機能できれば良い」というスタンスでできた制度なので、現在も日本でそのまま使用が認められているのです。
ここでは、日本の歯科保険制度が引き起こす問題についてみていきましょう。
保険治療でどれくらい歯がもつのか?
歯科保険治療を受けた場合、どれくらいその歯が長持ちするのでしょうか?これを実際に調べた調査結果があります。

上の表をみると、保険治療を行った後、平均5年〜8年以内に2次虫歯や脱離、歯髄炎を起こすなど何らかのトラブルが起きていることがわかります。歯を治療したらそれで完全に治るわけではなく、数年後にまた再治療が必要になり、治療のたびに削る量は増えていきますから、最終的には歯を失ってしまうのです。

なぜこのようなことが起きるのでしょうか?それは、保険治療における、以下のような問題点が理由として挙げられます。

保険治療の問題点

1)予防診療に保険が効かない
日本の保険制度では、「病気に対する治療」が対象となっており、「予防のための診療行為」に対しては保険が適応されません。そして、歯科保険治療は諸外国に比べると安価で受けることができます。
患者側からすれば、安く治療を受けられるため、「痛くなったら歯医者に行けばいいや」と予防に対してあまり意識しません。(アメリカなど諸外国では、歯科治療費は完全自費治療で、しかも高額ですから、国民は必至になって予防に努めます。)そのため、歯の状態がかなり悪くなってから受診することが多くなります。
予防を怠る
虫歯がひどくなる
歯を多く削られる&ケアも怠りがち
数年後、再治療が必要になる
治療を繰り返す
このような負のスパイラルに陥り、最終的には歯を失ってしまうのです。

2)時間をかけた丁寧な治療を受けにくい
保険制度では、時間に対する評価がありません。5分の虫歯治療も、1時間の虫歯治療も同じ治療費なのです。歯科医院は、できるだけ短時間で多くの患者さんを治療しないといけなくなってしまいます。
歯は小さいため、虫歯の範囲を正確に見極めないといけませんし、詰め物にはミクロ単位でのフィットが求められます。短時間で治療をすると、歯を荒く削ったり、ミクロ単位で隙間の空いた詰め物ができたりする可能性があります。しかし、いったん詰めてしまえば、その下やミクロ単位の隙間は見えません。患者さんにはわからないのです。そして、隙間から虫歯菌が侵入し、2次虫歯になるリスクも高まるのです。もしかすると、前述した保険治療での平均使用年数が短いのは、このことも関係しているのかもしれません。

3)ベストな治療を受けられる選択肢が少ない
歯科治療方法や材料には様々な種類があります。しかし、保険治療では治療法や材料が最低限のものしか選べません。自由治療には治療法や材料に制限がないので、虫歯治療1つとっても様々な選択肢があり、その人にとってベストな治療を選ぶことができます。
例えば、セラミックなどの高品質な材料を選べる他、ほぼ無痛で治療を受けることや、マイクロスコープやCTなど高度な設備で精密な治療を受けることもできますし、一気にまとめて集中治療をすることも可能になるのです。その結果、治療後の歯が長持ちしやすくなる可能性が高まるのです。

「自由診療のメリット」
自由診療の特徴
自由診療といえば、インプラントや矯正治療を思い浮かべるかもしれませんが、実は通常の虫歯治療や歯周病治療でも、自由診療があるのです。そのメリットは何でしょうか?

1)高品質の材料が使える
例えば、虫歯で穴があいた際、保険治療ではプラスチックの詰め物や金属の詰め物、かぶせ物が入ることになります。しかし、自由診療であれば、プラスチックや金属を全く使わない、見た目も機能的にも良いセラミックの材料を使うことができます。例えば、以下のような材料があります。

保険治療で使われている金属には、水銀でできたアマルガムや金銀パラジウム合金という材料があります。これらは唾液で金属イオンが溶け出し、2次虫歯や金属アレルギーになったり、歯茎に金属が沈着(メタルタトゥー)したりする危険性が指摘されています。体の中に重金属が蓄積するという問題もあります。

実際、ドイツやスウェーデンなど、諸外国では使用しないように警告されている国があります。しかし、日本では戦後「安価な材料で最低限の治療が受けられればよい」というスタンスで歯科保険制度がスタートしたため、未だ使用が認められているのが現状なのです。金属を使わないセラミックの詰め物なら、アレルギーの心配が少なく、溶け出すこともないので2次虫歯のリスクも少なくなります。このように自由診療であれば、使用材料に制限がないので、歯や体にとって良い高品質の材料を使用できるのです。

2)時間をかけた精密な治療が受けられる
保険治療では時間に対する評価がなく、どうしても短時間で多くの患者さんをみなければいけない仕組みになっています。その結果、治療に対する説明も少なく、ベルトコンベアに載せるように5分や10分で虫歯治療をする歯科医院も少なくありません。自由診療では、逆に患者さんにじっくり時間をかけて治療を行うことができます。例えば、拡大鏡やマイクロスコープを使って虫歯の部分を厳密にチェックしながら歯を削りすぎないように除去する治療や、非常にフィットの良い詰め物や入れ歯を作るといったことが可能です。その結果、フィットの良いかぶせ物や入れ歯で快適に噛むことができ、2次虫歯にもなりにくく、歯をできるだけ長持ちさせることも可能になるのです。

3)予防に力を入れられる
予防診療には保険治療が適応されませんが、自由診療では予防に関する指導を十分に仰げますし、丁寧な歯のクリーニングを受けることもできます。また、私たち患者側からしても、高価な治療をしたので「この歯を長く保たせたい」という意識が働き、しっかりとホームケアするようになります。保険治療では、安く治療を受けられるので「痛くなったら歯医者にいけばいいか」という意識になりがちです。しかし、その安易な治療が再治療の繰り返しを招き、結果、歯を失うことに繋がっているとしたらどうでしょうか。

結果的に自由診療の方が費用をかけずに済ませられることも
自由診療は一見高価かもしれませんが、一度十分な時間と高品質な材料で治療をすると、再治療する可能性が非常に低くなります。また、予防への意識が働き、「痛くなくてもメンテナンスを受けに歯科医院に行く」ようになります。その結果、虫歯ができたとしても最小限の治療ですみ、再治療を回避でき、歯を長持ちさせることができます。トータルの医療費も少なくてすむかもしれません。

自由診療を受ける際のポイント

先生によって方針や内容が違うことが大前提
自由診療は、歯科医院によって治療費や治療内容が違います。同じ治療内容を提示していても、先生によって技術や説明の仕方に違いがあります。ですから、自由診療を受ける際には、「どの治療方法にするか」「何の材料を使うか」ということも大切ですが、是非「どの先生に治療を受けるか」ということを念頭に置いて歯科医院を探されることをおすすめします。

人によっていい歯医者・悪い歯医者は異なる
Aさんにとって良い歯科医院であっても、Bさんにとって良い歯科医院かどうかはわかりません。人によって判断基準が違うからです。そして、治療の際はよくドクターと話し合い、良い信頼関係を築いていくことが何よりも大切です。

当院では治療する前にじっくりと患者様のお話を伺い、患者様にとってベストな治療方法を提案して、患者様自身がご納得いただいた上で治療していきます。気になる事がございましたら、まずはお気軽にご相談下さい。

「自由診療と保険診療の比較まとめ」

保険診療のメリット

費用が安い
国民皆保険制度により、通常3割負担で治療を受けられます。(高齢者は1割負担)諸外国と比べても、治療費が非常に安いことは第1章でご説明しました通りです。

一定水準の治療が受けられる
日本の歯科医院では、世界的にみても設備や技術が整っています。保険治療では最高水準の治療が受けられる、というわけではありませんが、ある一定水準の治療を安く受けられる日本は、非常に恵まれているといえるでしょう。

保険診療のデメリット

材料や治療法に制限がある
保険制度では、治療法や使える材料が決められています。例えば、白いプラスチック製の差し歯は前歯〜犬歯までしか使えず、それより奥歯になると金属の歯になってしまいます。また、インプラントや矯正、ホワイトニングといった見た目をよくする治療には保険が使えません。

短時間の治療になりがち
保険制度では時間に対する評価がなく、治療費が安価なため短時間で多くの患者さんをこなさないと大赤字になる仕組みになっています。そのため、短時間で治療を行わざるを得ないので、丁寧な説明や精密で確実な治療を望んでも、現実的に難しいことが多いのです。

将来、再治療が必要となるケースが増えやすい
使う材料や短時間での治療の弊害で、2次虫歯などで再治療が必要となる可能性が多くなります。「通常同じ歯を5回再治療すれば、歯の傷は大きくなり、その歯は抜かなくてはならなくなるといわれています安くてその場はしのげたとしても、数年後にまた再治療が必要となり、それを繰り返すうちに歯を失ってしまうケースが多いといわれています。

自由診療のメリット

高品質の材料が使用でき、最善の治療法を受けられる
保険の制限がないので、オールセラミックやジルコニアなど、機能的・審美的にも良い材料を使用することができます。また、最先端の歯周病治療やインプラント、矯正治療など、その人のケースに合った最善の治療方法を選ぶことができます。再治療の必要がないような、丁寧で確実な治療を受けられる※決して再治療が不必要になるわけではございません。歯やお口のコンディションによって治療成績は異なります。
インプラントや矯正といった特殊な治療でなくても、通常の虫歯や歯周病治療において、時間をかけて丁寧な治療を受けることができます。虫歯の部分を綿密にチェックしながら削る、精密な型取りをするなど、より確実で、再治療のリスクの低い、歯を長く持たせるような治療を受けることができます。

予防に力を入れられる
保険制度では予防診療ができません。自由診療なら、健康的な歯を長く持たせるような予防診療を受けることができます。最も大切なのは、歯をいかに削って治療をするかということではなく、始めから虫歯や歯周病にならないようにすることです。そのための努力を一緒にしてくれるような歯科医院を選ぶことが重要であり、自由診療ならそのような医院を見つけることができます。

自由診療のデメリット

費用が高い
自由診療の最大のデメリットは費用が高いことです。とはいっても、日本の自由診療の相場をみると、アメリカなど諸外国の自由診療費用よりは安いことが多いです。日本は安い保険制度があるので、それと比べるとどうしても「高い」という意識を感じてしまいます。

歯科医院によって治療内容や費用に差がある
自由診療といっても、歯科医院によって治療内容や技術、知識、費用などに違いがあります。同じ治療法だからといって全て同じ水準が保たれているわけではありません。導入設備も違いますし、ドクターの考え方や説明の仕方にも差があります。だからこそ、自分にとって良い歯科医院に出会えるように、しっかりとした歯医者選びが必要なのです。

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